無実の叫び 袴田事件:再審制度見直し 袴田秀子さんが政府改正案を批判 衆院法務委
静岡県で1966年に一家4人が殺害された事件で再審無罪が確定した袴田巌さん(90)の姉秀子さん(93)が9日、再審制度見直し法案を審議している衆院法務委員会に参考人として出席し、「抜け道を作っている」と政府の刑事訴訟法改正案を批判した。 政府案は再審開始決定に対する検察官の不服申し立て(抗告)を原則禁止としつつ、「十分な根拠」がある場合は例外的に抗告を認めている。袴田さんは66年に逮捕され、80年に最高裁で死刑が確定。2014年の再審開始決定に対して検察側が抗告し、無罪が確定したのは逮捕から58年後の24年となった。 袴田さんは拘置所で死刑執行を待つ日々の中で精神をむしばまれた。秀子さんは近況について「妄想の世界にいる状況が続いている。(無罪確定に)なんでこんなに時間がかかるのでしょう」と訴えた。冤罪(えんざい)で苦しんでいる人は他にもいるとし、「巌だけ助かればいいとは思っていません。良い証拠も悪い証拠も全部出して裁判をするのがフェアだ。神様ではなく人間が作った法律。改正できないことはない」と述べた。 再審請求では元被告側が「無罪を言い渡すべき明らかな新証拠」を証明する必要があるが、吉沢弁護士は「(再審請求が)乱用的に行われている場合が非常に多い」と指摘。3審制で有罪が確定した裁判を不当に蒸し返されることを懸念する被害者は多いとし、「冤罪被害者を救済することは大変重要だが、犯罪被害者や遺族の心情への配慮なども重要。念頭に置いて議論いただきたい」と要望した。【岩本桜、巽賢司】
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