取り調べの録音・録画 法務省が「使用制限」検討を通知
検察の取り調べの違法性などが争われる国家賠償訴訟を巡り、裁判所に提出した取り調べの録音・録画が第三者に流出、閲覧されないよう、法務省が証拠の使用制限の検討が必要とする通知を作成していたことが判明した。不適正な取り調べの実態が広く国民に伝わらなくなる恐れがあるが、法務省は「プライバシー保護のための措置」としている。
毎日新聞は「検察国賠訴訟における基本的な方針」とのタイトルの文書を入手した。検察の取り調べや起訴が問題になる訴訟で、国の代理人となる「訟務検事」の対応方針がA4判9枚にまとめられている。2月24日付で全国の法務局に通知された。
通知は、国賠訴訟で取り調べの録音・録画を記録した媒体を裁判所に提出したり、任意で原告側に開示したりする場合に「記録がマスコミなどの第三者に提供され、国賠訴訟外で利用される可能性も考えられ得る」と記載。原告側と第三者に提供しないことを約束した誓約書を交わすことや、第三者から記録が閲覧されないように裁判所に閲覧制限を申し立てることを検討すべきだとしている。
映像の外部流出により、取り調べの中で言及された関係者の名誉やプライバシーが害される▽取り調べへの協力をちゅうちょさせる▽捜査・公判に支障が生じる――などを制限をかける理由に挙げている。
10日の衆院法務委員会では通知の妥当性が取り上げられた。「不当な取り調べなどを隠蔽(いんぺい)するために利用されるのでは」との中道改革連合の平林晃氏の質問に対し、坂本三郎・法務省訟務局長は「第三者のプライバシー情報などを適切に配慮する必要がある。検察にとって不都合な証拠を隠すためというものではない」と答えた。【巽賢司】
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