高市首相「再審制度の前進を確信」 政府案修正に否定的な姿勢
高市早苗首相は10日、再審制度の見直し法案を審議する衆院法務委員会に出席し「まだまだ不十分との指摘もあると思うが、現時点で確実に再審制度を前進させるものと確信している」と述べた。野党から政府法案の修正を求める声が強まっているが、修正に否定的な姿勢を示した。
政府の刑事訴訟法改正案は、裁判所が再審請求の理由と関連する証拠について相当性などを考慮し検察に提出を命じる制度を新設。開示された証拠を元被告側が再審手続きや準備目的以外で使うことを罰則付きで禁じる規定も設けている。
これに対し中道改革連合は「政府案では証拠開示の範囲が狭まる。証拠の目的外使用の禁止も再審事件の支援者や報道機関の活動を萎縮させる」と主張。法務委では西村智奈美氏が政府案を修正する意向があるかを質問した。
首相は「審理に必要かつ十分な証拠が裁判所に提出される」とし、政府案には合理性があると強調。事件関係者のプライバシー保護の観点から通常の刑事裁判にも目的外使用を禁止した規定があるとし、「現時点では再審手続きで異なる仕組みとすることは相当ではない」と述べた。
衆院では与党が3分の2を超えるものの、参院では過半数を割っている。国民民主党の小竹凱氏は、参院で改正案が否決された場合、衆院で3分の2の賛成を得て再可決する可能性について尋ねた。首相は「再審制度見直しは私も強い思いを持ってきた」などと述べるにとどめ、明言を避けた。
与党内には人権問題に関する再審制度見直し法案は再可決にそぐわないと慎重な意見もあり、審議の状況によっては政府は難しい対応を迫られる可能性がある。国民民主の玉木雄一郎代表は9日の定例記者会見で「(政府案に)今の時点で賛成という状況にはない」と述べている。
また、再審無罪が確定した袴田巌さん(90)の姉秀子さん(93)が10日の衆院法務委を傍聴した。高市首相は質疑の中で「筆舌に尽くしがたいご苦労ご苦悩の中にあったと存じます」と言葉を向け、終了後に秀子さんの元に向かい肩に手を掛けるシーンもあった。【巽賢司、岩本桜】
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