縮小社会に生きる:中国地方の人口5県合わせても埼玉より少なく 軒並み減少が加速

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人口減少や高齢化問題に直面し、縮小する地域社会。それを受け入れて力強く、しなやかに生きる人々の息づかいを記者がルポします。 2025年国勢調査の速報値が公表され、中国地方5県の人口はいずれも前回(20年)調査と比べて減少した。5県の総人口は約691万人で5年前より約35万人減って700万人を下回り、政令指定都市の広島市と岡山市でも減少となった。転出超過による社会減に加えて少子高齢化の進行による自然減の傾向が強まり、人口減少が加速している。 5県合わせても、埼玉県(約729万人)や愛知県(約745万人)より少ない。この5年の減少数は、東京都中野区の人口(約36万人)や大阪府高槻市の人口(約35万人)などに相当する。 県別では、人口が最多の広島県が前回比4・2%減で270万人を割り込み、ピークだった1995年(約288万人)から約20万人減った。 島根県は前回比6・2%減で、中国地方5県で最も減少率が大きかった。15年調査で70万人を割って以降、過去最少を更新し続けている。 市町村別では、中国地方最大都市の広島市が人口減に転じ、120万人を割り込んだ。広島県内23市町で前回比増は東広島市、府中町、海田町の3市町。東広島市(19万8496人)は呉市(19万1653人)を抜いて、県内3番目の人口となった。広島市に隣接する府中町(5万1213人)は市制移行を目指している。 09年に全国18番目の政令市になった岡山市も、前回比で減少になった。岡山県内では微増した早島町が唯一、前回比で増加だった。 山口市は前回比1・8%減で、中国地方の県庁所在地では減少率が緩やかだった。山口県内は全市町が前回比減で、上関町の19・2%減は中国5県の市町村で最大だった。 人口減少の加速が顕著になった2025年国勢調査の速報値公表を受けて、中国地方各県の知事や市長らからは、定例記者会見などで言及が相次いだ。 広島県の横田美香知事は、1年間で約2000人の転出超過になっている人口動向を「最大の課題」と述べ、若い世代が結婚や子育てに前向きなイメージを持ってもらえる政策に、いっそう重点を置く意向を強調した。 5年間で2万人以上の減となった広島市。松井一実市長は11年の就任時と同じ規模の人口に戻ったことを踏まえ「広島市だけで勝負するのではなく『200万人広島都市圏構想』という広い範囲で、自治体同士が競争より協調を重視しながら、多くの人が住み続けられる街づくりを進めたい」と語った。 東広島市に人口で逆転された呉市の新原芳明市長は、防衛省が進める複合防衛拠点の整備計画に期待し「経済や産業、技術開発などで良い影響を与えるようにしてもらいたい」と述べた。 岡山県の伊原木隆太知事は、前回調査までは微減だった減少率が4・2%減と増したことに「今後も勢いを付けて落ちていく、大変な時期に入っていく」という認識を示し、「社会減対策にこれまで以上にしっかり取り組む」と話した。 同県総社市は前回比0・4%減と減り幅を小さく抑えた。住宅新築時に使える独自の助成制度などで転入希望者が多いが、片岡聡一市長は「人口を注視した政策をこれから色濃くしていかざるを得ない」と述べ、空き家の活用促進策を進める考えを表明した。 島根県の丸山達也知事は「日本全体の仕組みを抜本的に変えていかないと、東京一極集中の是正をするというレベルの対策では済まなくなっている」と指摘した。【宇城昇、関東晋慈、井村陸、石川勝己、平本泰章、上野宏人】

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