波が寄せるように集う人々 ウミナトベンチがつくる「居場所」

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北九州市小倉北区の船場広場に設置された「UMINATO Bench(ウミナトベンチ)」が、市民の新たな憩いの場として定着しつつある。海や港の風景を曲線の「波」で表現した全長7メートルの木製で、買い物の合間や待ち合わせのひとときに利用する光景が見られる。 ベンチは2025年11月、市内の不動産会社の寄贈により設置された。素材は国産ヒノキ。中央には高さ3メートルのシンボルツリーを配置した。木陰や木漏れ日を生み出し、空間と自然が調和する設計となっている。キャスター付きで移動や分割も可能。イベントに応じて柔軟に使い方を変えられる点も特徴だ。 設計は市内を拠点に活動する1級建築士で空間デザイナーの田村晟一朗さん(48)。空きビルの再生やリノベーションを通じて地域と関わってきたほか、最近は「TAMTAM gahaku(タムタム画伯)」として似顔絵アイコンを描くなどデザイナーとしてもマルチな才能を発揮。国内外で個展を開くなど多忙な日々を送る。 田村さんは、22年8月に旦過市場一帯の火災で焼失した映画館「小倉昭和館」の再建にも携わった。火災の2日前、「ロビーにバーカウンターを作り、人が集える場所にしたい」と館主から相談を受けて図面を預かっていた。その直後の火災に「ショックで、しばらく現地を訪れることができなかった」。 そのため再建は「昭和館として在り続けること」を軸に、記憶や文化を未来へつなぐ設計をコンセプトとした。焼失を免れたネオン看板も再生のシンボルとして掲げられた。同館は23年12月に営業を再開した。

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