真相・ニュースの現場から:妊娠9カ月ではねられ逝った娘、意識不明続く孫 家族が誓う約束

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本当なら今ごろ、娘夫婦と一緒に、1歳になった孫娘の成長を喜んでいたはずだった。でも、孫娘は目を開けたことも、泣き声を上げたこともない。この1年、娘の遺影に何度も語りかけてきた。「守ってあげられなくてごめん……」 愛知県一宮市で昨年5月21日午後、妊娠9カ月で実家に里帰り中だった研谷(とぎたに)沙也香さん(当時31歳)が、散歩中に車にはねられ死亡した。おなかにいた日七未(ひなみ)ちゃん(1)は帝王切開で取り上げられ、一命は取り留めたものの重度の脳障害が残った。 「沙也香が事故に遭いました」。電話で取り乱す夫・友太(ゆうだい)さん(34)の様子に、父親の水川淳史さん(62)は嫌な予感が走り、病院へ急いだ。緊急手術を終え、集中治療室で眠る沙也香さんを見た瞬間、膝から崩れ落ちた。 顔や体は変色して腫れ上がり、所々に血の痕がにじんでいた。手を握り、何度も名前を呼んだ。でも、沙也香さんは目を覚ますことのないまま、2日後の早朝、静かに息を引き取った。 「赤ちゃんができたよ」と打ち明けてくれた時の笑顔が今も目に焼き付いている。2021年に同僚だった友太さんと結婚し、一度の流産を乗り越えて授かった命だった。「どんな名前がいいかな」「もうすぐ会えるね」。うれしそうに話し合う2人を見て、淳史さんのほおも緩んだ。 妊娠8カ月に入った頃、沙也香さんは当時暮らしていた松山市から一宮市の実家に里帰り。休日には親子で出かけて子供服などを買いそろえた。「赤ちゃんのために」と食事にも気をつける姿に、母としての覚悟と優しさを感じた。出産を心待ちにする時間は「この上ない幸せでした」。 事故当日、県内は最高気温30度を超える暑さだった。日課の散歩に出ようとする沙也香さんに、「今日はやめておいたら」と声をかけた。「昨日休んだから、今日は行くよ。大丈夫」。そう笑顔で答える沙也香さんに、「気をつけてね」と伝えた。これが、最後の会話となった。

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