「実刑でほっとした」 妊娠9カ月の女性死亡事故、判決に夫が涙
愛知県一宮市で2025年5月、妊娠9カ月の研谷(とぎたに)沙也香さん(当時31歳)を車ではね死亡させたとして、自動車運転処罰法違反(過失致死)に問われた同市の無職、児野(ちごの)尚子被告(50)に対し、名古屋地裁一宮支部は18日、禁錮2年6月(求刑・禁錮3年)を言い渡した。 事故は25年5月21日午後、一宮市木曽川町の市道で発生。判決などによると、被告は車を運転中、実家近くを散歩していた研谷さんを時速30キロで後方からはね、硬膜下血腫で2日後に死亡させた。また、事故後に帝王切開で生まれた長女日七未(ひなみ)ちゃん(1)に重度の脳障害を負わせた。 事故を巡り、遺族側は刑法で「人」と見なされない胎児についても被害者として扱うべきだと訴え、日七未ちゃんに対する過失致傷罪での起訴を求め、署名活動などを展開。検察側は補充捜査の結果、同罪の適用は見送ったが、起訴状に日七未ちゃんの名前と障害を盛り込んだ。 鳥居俊一裁判長は判決理由で「誕生を心待ちにしていた我が子を抱くこともできずにこの世を去る無念は計り知れない」と指摘。また、日七未ちゃんが今も意識不明のままで、自発呼吸もできず24時間介護が必要な状態であることにも触れ、「当然ながら、被害者遺族の処罰感情は峻烈(しゅんれつ)。刑事責任は重い」と述べた。 判決後の記者会見で、沙也香さんの夫友太(ゆうだい)さん(34)は「実刑判決となりまずはほっとした。量刑の判断に、日七未の被害がしっかり入ったことは社会的意義があると思う。妻と娘には『がんばったよ』と報告したい」と涙ながらに語った。【渋谷雅也、木谷郁佳】
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