長崎・海星高いじめ自殺訴訟 学校に330万円の賠償命令 地裁
長崎市の私立海星高2年の男子生徒(当時16歳)が2017年4月に自殺したのは教員がいじめへの対応を怠ったことが原因だとして、両親が学校側に約3200万円の損害賠償を求めた訴訟の判決で、長崎地裁の松永晋介裁判長(村上典子裁判長代読)は8日、中学3年時にいじめがあったと認め、慰謝料など330万円の支払いを命じた。
判決は、生徒が中高一貫の中学3年の頃におなかの音を同級生にからかわれ、おなかの音がしないよう入った掃除用具置き場を無理やりこじ開けようとされたことなど、複数のいじめを認定。教員がいじめを把握できなかったのは「早期発見する取り組みが講じられていなかったことに起因する」と指摘し、学校側に安全配慮義務違反があったと判断した。
一方で高校進学後はいじめは認められなかったとし、「教員らが自死を予見することは極めて困難だった」と述べた。その上で、学校側の安全配慮義務違反と自殺との間に「相当因果関係を認めることができない」と結論付けた。
生徒の自殺を巡っては、自殺後に学校側が設置した第三者委員会が、同級生によるいじめが「自殺の主要因」とする報告書を18年11月にまとめたが、学校側は「論理的飛躍がある」などとして受け入れを拒否。遺族側は学校側のこうした対応も批判してきた。
だが判決は、自殺直前に自死につながるようないじめが外形的に確認されていなかったとし、「学校側が独自の判断で争うことは違法とまでは言えない」と指摘した。
生徒の両親は判決後に記者会見し、母親(54)は「安全であるはずの学校で、このようないじめがあったと裁判所が認め、息子に良い報告ができると思う。こちらの言い分が認められなかった面もあり、残念だというのが正直な気持ちでもある。司法の壁は高いと感じた」と話した。
学校法人「海星学園」は「主張が一定認められたものと受け止める。学園に責任があるとされた部分は判決内容を精査し、今後の対応を検討する」とのコメントを出した。【添谷尚希、樋口岳大】
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